初めての深夜勤務

今日から、初めての深夜の警備員業務。
これまで日雇い倉庫バイトで体を酷使していたが、ようやく「腰を落ち着けて働ける場所」に辿り着いた。
とはいえ、夜勤という未知の時間帯での仕事。心のどこかで不安と緊張が入り混じっている。

まだ研修期間なので、今夜は先輩警備員と行動を共にする。
この病院では夜間、警備員と医療事務を基本一人ずつの体制で現場を回す。
つまり、大雑把にいうと警備員が院内を見回り、医療事務が受付を担当するという仕組みだ。
完璧に分業化されているが、病院の敷地から中に入れるまでが警備員の仕事。
敷地内に入れてから当直の意志への診察へ引き継ぐの医療事務の仕事になる。

初日の夜、緊張と静寂

貸与された制服はまだ着用義務がなく、「スーツで大丈夫」と言われた。
少し拍子抜けしたが、逆に気が楽だった。
仕事の説明を受けると、驚くほど細かなルールが多い。
巡回のタイミング、緊急通報の手順、カルテの扱い、救急入口の開閉、そして外来者の入館管理。
どれも一つ間違えばトラブルに直結する。
覚えきれず頭がパンクしそうだ。

0時を過ぎたあたりから院内は一気に静まり返る。
廊下の照明は半分が落とされ、遠くのナースステーションだけがぼんやり光っている。
その光が、やけに温かく感じる。

仮眠時間と、夜の孤独

深夜2時から6時までが仮眠時間。
今は警備室の奥、バックヤードの簡易ベッドに横になっている。
掛け布団は薄く、壁際の時計がやけに大きな音を立てている。

「仮眠中は何を着ててもいい」と言われたので、シャツのボタンを外してそのまま横になる。
眠気はあるが、目が冴えてなかなか寝付けない。
初日の緊張と、覚えるべきルールの多さが頭を回り続けている。

仮眠中は食事や外出も許可されているらしい。
この時間に車へ戻って車中泊でもしようかとさえ思う。
ただ、真夜中の駐車場を一人歩くのも少し心細い。ちなみに仮眠時間の間は何をしてもいいと言われているので車中泊も十分にありだと言われた。最も、実践してる人はいなかったので逆に車中泊の方が寝やすいのかと聞かれた。

病院の夜は、静かのようで嵐

先輩の話では、今夜はまだ静かなほうだという。
大変な日は、救急車の出入りが何度もあり、酔っぱらいや薬物患者、暴言を吐くクレーマーも多いらしい。
「カスハラ(カスタマーハラスメント)にさらされる覚悟は必要だぞ」
初老の警備員がそう言った。
この仕事は、ただの“夜の見張り”ではない。人の命と感情の渦の中に立つ仕事だ。

だが俺には、恐れて立ち止まる余裕はない。
借金、生活費、そして再出発のための資金づくり。
どれも背中を押す現実だ。
やっていくしかない。

思い出す、あの頃の自分

眠れぬまま、天井を見上げて思う。
10年勤めた会社を辞めたころ、まさか病院で夜勤警備員をやる未来が待っているとは想像もしなかった。
会社員のころは、深夜に働く人たちをどこか別世界の存在のように見ていた。
けれど今は、そんな人たちの気持ちが痛いほどわかる。
静寂の中で、自分の鼓動と蛍光灯の唸りだけが響く夜。
孤独と責任が背中にのしかかる。

それでも、これが今の自分の現実だ。
働ける場所があるだけでも、ありがたいと思わなければならない。
警備員としての経験は、きっとこの先の糧になる。

眠れぬ夜の決意

外はまだ暗い。
そろそろ仮眠時間も終わる。
カーテンの隙間から、わずかに朝の気配が入り始めている。

明け方の空気は冷たいが、少しだけ希望の匂いがした。
この夜勤の経験を、また次のマネタイズ活動や創作活動に生かしたい。
47歳、まだ遅くはない。

今日も一歩ずつ、前へ進む。

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